- 長野 信一(ながの しんいち) = おはなし
- ’46年東京生まれ。’69年日本体育大学卒業。
財団法人日本レクリエーション協会・指導部にて、レクリエーション指導者の育成、検定・プログラム開発に努める。’81年NHKテレビ・ラジオ体操指導者として出演・放送を続け、また全国の企業・団体等への講演・指導を行っている。
現在、日本体操研究所所長、テレビ・ラジオ・みんなの体操指導者。
日本の国民的な体操といえば「ラジオ体操」。今回は、NHKでラジオ体操を指導すること27年目、今もなお普及に努められている長野信一先生に、体を動かすことの重要性、仕事の合間にもできるラジオ体操の有効性についてお伺いしました。
- 楠田:
- そもそもラジオ体操は、何を目的に、いつごろから始まったのか教えてください。

- 長野:
-
1925年にアメリカのメトロポリタン生命保険会社が「人々に元気で長生きしてほしい」という目的で、スピーカーやラジオ放送を通じてアメリカ市民の健康づくりを喚起したのが、ラジオ体操の始まりです。
当時の日本といえば、戦後の立ち直りを見せてはいたものの、伝染病が蔓延するなど、まだまだ保健衛生に対する意識が非常に低く、人々は劣悪な環境下で生活していました。そういった中で、逓信省簡易保険局の幹部がアメリカの保健事業を調査するために渡米した際、その生命保険会社の取り組みを見て、「日本国民の健康状態や体格を向上させるためにはラジオ体操の実現こそが急務である」と提唱し、簡易保険局や日本放送協会を強く揺り動かしました。これを基に逓信省簡易保険局が昭和3(1928)年に「国民保健體操」という名称で一番初めのラジオ体操を作ったのです。
その普及活動に加わったNHK、そして多くの関係者が一致協力して、できるだけ多くの人に定着させようと学校、地域社会、職場などで指導者を育成しました。今は日本郵政公社、NHK、全国ラジオ体操連盟がそれぞれの役割をもって、広く普及発展に寄与しています。

- 楠田:
- 日本にとって、アメリカでの視察で保険事業だけではなく、ラジオ体操の重要性に気付いたことも大きかったのですね。
さて、私が日本の大企業(特に製造業)を訪問すると、始業時や午後3時頃の休憩時間にラジオ体操の音楽を耳にすることが多いのですが、企業がラジオ体操を導入するようになったのはいつごろなのでしょうか。
- 長野:
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現在のラジオ体操第1は、昭和26(1951)年、翌年にラジオ体操第2が制定されました。
第1体操は「いつでもどこでも誰でも」をテーマに、子どもたちからご高齢の方まで、幅広い年齢層を対象に作られています。一方の第2体操は職場体操という位置付けで作られた背景があります。成人の方を対象としているので、テンポが速く、難易度の高い複合された運動が入っています。このように両者は、目的や対象者が異なるため、大きく構成が異なります。
企業がラジオ体操を取り入れたのはいつからなのか、正確なことは分かりませんが、積極的に行われるようになったのは第2体操が始まった昭和27(1952)年以降であると考えられます。しかし、第1体操がここまで普及した背景には、地域の取り組みだけではなく、企業での取り組みも大きかったと考えられます。昭和26(1951)年以前に体操を実施していた企業もあったのではないでしょうか。
現在、ラジオで1日4回(各10分間)放送しています。NHKラジオ第1放送では、午前6時半からですが、職場でもできるように第2放送では同8時40分、正午、午後3時に放送しています。午後は主に疲労回復の目的、リフレッシュを目的としています。ラジオ体操人口は2,000万人前後いると考えられ、夏休みになると子どもたちの参加を含め、3,000万人近くともいわれていますが、正確な実数はつかめていません。










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